カメラバックの選び方-スノーボード&スキー撮影-

カメラバックの選び方-スノーボード&スキー撮影-

スノーボードカメラマンは撮影現場までカメラバックを背負って行かなければいけない。ショルダー型などではなくバックパックであるというのは当然ですが、現場のスノーボードカメラマンはどんな条件でカメラバックを選んでいるか?

今から説明することは、私の個人的な意見にはなりますが、バックカントリーへ撮影をするために入っていく本物のスノーボード&スキー・カメラマンであるならほぼ同じことを考えるでしょう。では早速行ってみましょう。

スノーボード用カメラバックに求める条件

ストリート(街の中でスノーボードやスキーをすることです。違法性高し)だけ撮るとか、ゲレンデだけでしか撮らないってカメラマンはまた違った選択肢にもなってくると思います。ここではバックカントリーへ入っていくカメラマンのバックパック選択方法を説明していきます。

背中開き

背中開きとは、背負う方の面、背中に密着する面が開くバックです。これは絶対条件です。大きな理由が4つあります。

背負う部分が雪につかない、背中が汚れない。

カメラを出すために撮影場所についたら雪面にカメラバックをおきます。その際雪面に接するのはバックの表面になります。雪がつくのは表面だけで、背負う面は雪でぬれたりしません。

雪面ならまだしも春雪でぬれてたり、泥の地面なんかに置かなければいけない場面になったら最悪です。

バックをおろしてすぐカメラにアクセスできる。

普通にカメラバックを下ろす時、表面が下になり背中側が上になります。もし表面が開く作りのものであった場合、そこからひっくり返さなければなりません。カメラを取り出すまでにワンアクション増えてしまいます。

すばやく撮影体制に入らなければならないことが多いので、このワンアクションをなくすためにも背中開きは必須になります。

閉めないで背負っても機材が落ちない。

私はおっちょこちょいで、よくカメラバックを閉めないで背負ってしまいます。表開きのカメラバックだと、背負う時に開いてたら盛大にカメラやレンズをその場にばらまくことになります。私、何度かやっています。かなりへこみます。

背中開きのバックだと背負ったまま滑っても、レンズやカメラくらいの大きさのものだったら落ちたりはしません。

開けたまま滑ることができるわけではありません。忘れていても重大なことにならないってだけですので、ちゃんと閉めるように気をつけましょう。私はカメラやレンズを出したらその都度ジッパーをしめるクセをつけるようにしています。

スノーシューやスノーボードを表面につけていられる。

スノーシューやスノーボードは基本的に表面につけます。スキーも横につけられるものがありますが、表面につけることもあります。その際表面からアクセスしようとすると取り付けたものを一度すべて外してから開かなければなりません。

フィット感

10kg以上の機材を背負ってのスノーボードです。快適にスノーボードをするためにはフィット感がとても重要です。基本的には山用のザックを選ぶ基準で選ぶのが最も効率的です。


ここではフィット感を考えるとき、もっとも重視している2点を説明します。

左右にふられない。

スノーボードやスキーは体重移動して滑っています。重たいカメラバックが、右に傾けば右にふられ、左に傾けば左にふられるようだと安定して滑ることができません。カメラバックが身体と一体になるくらいフィットする必要があります。

軽く感じる。

本当にフィットしていると軽く感じます。手で荷物を引き上げるととても重く感じるのに、背負ってみるとどこかが引っ張られるような重さを感じない。そんなバックがフィットしているカメラバックです。

バックカントリーグッズが入る

バックカントリーに入るならカメラマンでもビーコン、ジョベル、ゾンデは必須です。これらがちゃんと携行できるバックでないとダメです。絶対。

キッカーを作るのを手伝ったりするのにもショベルは役立ちます。

ライトスタンドがつけられる

バックカントリーでストロボを使った撮影はとても一般的になりました。最近は機材も進化して小型で高性能なストロボがあるので、カメラバックに忍ばせて山に入ります。その際ライトスタンドや三脚を持っていかなければなりません。

スノーシューなどをつける場所とは別に、バックの横などにスタンドが簡単につけられるととても助かります。

グローブをしたまま開けられる

大きめのチャックがついているとグローブをしたままアクセスしやすい。

チャックの持ち手が小さいと非常に開けづらいです。グローブのままアクセスできる様になっているといいです。

ただ、この点に関しては細引きなどをチャックにつけて開けやすくすることもできるので、後でカスタムすることも可能です。

私の使用カメラバック -2018年現在- Osprey Koda 42

オスプレイのコーダ 42 のLサイズを使っています。カメラコンパートメントにはダカインのカメラ・ブロックを入れています。

コーダ 42はモデルチェンジしてキャンバーというモデルになっています。ダカインでは現在カメラ・ブロックだけの販売はしていないようです。

オスプレイは日本でも値段が安く高性能なザックを作り続けている優良メーカーです。ずいぶん昔から愛用していますが、このコーダは傑作です。フィット感が抜群ですし、容量も必要にして十分。簡単な食料やサーモスなんかも携行できます。新型のキャンバー42もかなり良さそうです。

 

 

カメラを入れるコンパートメントを現在買うのなら、F-StopのPro Large ICUが最適でしょう。

 

 

おすすめカメラバック

BURTON F-STOP PACK

バートン F-STOP PACKは長年愛用していました。今でも2つ持っています。とても背負い心地が良くてかっこいいのですが、唯一にして最大の欠点が表開きであること。私は現在、ストロボを収納するケースとして活用しています。

バックカントリーグッスの収納は考慮されていないので、その辺も大きなマイナスポイントです。

 

 

F-STOP Ajna

そして現在一番良さそうなのがF-STOP社のAjna。何度か背負う機会がありましたが、フィット感もよく、何よりアクションスポーツ用に設計されたカメラバックなので間違いないでしょう。

 

Lowpro WHISTLER

純粋なカメラバックメーカーのLowproからもウィスラーという良さそうなカメラバックが出ています。カメラ量販店で販売しているので実物を見ることができます。背負い心地もよく、さすがカメラメーカーのバックだけあって、いろいろ良くできています。
こちらもバックカントリーグッズの収納は難しそうです。

 

 

DAKIN Sequence 33L

少し小さいのですが、とても良いフィット感。ゲレンデ内の撮影などの、機材を多く持ち込む必要のない撮影時に重宝します。一般の方が少し本格的に撮影をしようと思い、スノーボード用のカメラバックを購入するならこの辺りがおすすめです。

 

 

容量や使い心地、パソコンが楽に収納できるスペースなど、カメラバックとしてはとても完成度が高いです。しかし、背負った時の安定感がとても悪く、身体に密着しません。これを背負ってスノーボードをすると盛大に左右にふられてしまい、安定感が悪くなってしまいます。

私は日常の撮影時にこのカメラバックを愛用しています。

 

 

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