バックカントリー撮影におけるカメラグローブの選び方

バックカントリー撮影におけるカメラグローブの選び方

撮影のため、バックカントリーへ入っていく時、カメラやカメラバックと同じくらい最新の注意を払って選択しなければならないアイテムに、カメラグローブがあります。

防寒性能はもちろんですが、快適に撮影できるかどうかを決める重要な鍵になります。ではどんなグローブが使いやすいのか、長年の経験で出た結論をご説明します。

インナーグローブ使用は大前提

薄手のインナーグローブ。このモデルはタッチパネルも操作できる。TYROLIAのランニンググローブ。

素手でカメラを操作するのはやめましょう。氷点下になると指先が数秒で言うことを聞かなくなります。

外国人カメラマンや若手のカメラマンが素手で撮影しているのを見かけますが、彼らは体温が違うのだと思います。というか、普通の人は真似しないほうがいいです。冗談ではなく凍傷します。私はインナーグローブをした状態で撮影しているにもかかわらず、1週間くらい指先の感覚がなくなったことがありました。

だいたい、寒すぎると撮影に集中できません。

素手でないとできない作業もあります。その際は外しますが、それ以外の場面ではインナーグローブをした状態で作業することをおすすめします。

インナーグローブを選ぶポイント

最低限シャッターを切ることが出来てシャッタースピードと絞り値を操作できるくらいの薄さのインナーグローブを選びます。そのためにはピッタリフィットしていることも大切です。手のひらに滑り止めの加工がしてあるとなお良いです。

シャッターを切る瞬間までカメラを構えて待ちます。その時間がもっとも長い時間です。急に天候が変わり、露出を変えなければならないこともはよくあります。そのためグローブをつけたままこれらの作業を問題なく出来る必要があります。

私は現在コストコで売っているTYROLIAというメーカーのランニンググローブという商品を愛用しています。1000円そこそこで買える上に性能も高いです。薄いのにとても快適。

予備のインナーグローブも持っていく

名作HESTRA WINDSTOPPER ACTIVE。多くのプロカメラマンがインナーグローブとして使用している。ただ少し高価。

ぬれたグローブはとても冷たくなります。緊張すると人は手に汗をかきます。雪がついてしまうと手の温かさで溶けてぬれます。

最低でももう一つは替えのインナーグローブを山に持っていきましょう。高いものを1つ持っているよりも安くてもいいので何枚か持っていてすぐに交換できるのが良いです。近くにコストコがなくても、ホームセンターなどで売っているネオプレーンのグローブなどでもいいと思います。私も一時期使っていました。

アウターをミトンにするかグローブ(5本指)にするか

大きく分けてミトン型(北海道ではボッコグローブと言うみたいです)と5本指のグローブがあります。

ミトン型はそのままではカメラの操作が全くできませんが温かいです。一方グローブ型だと最悪シャッターくらいは切ることができますが、少し冷たいです。どちらも経験してきましたが一長一短。撮影の内容によって使い分けています。

ミトンならサイドジッパー付きがベストチョイス

普通のミトン型でも、撮影時だけ外してインナーグローブだけで色々作業する事はできますが、サイドジッパーがついているモデルは、すぐにインナーへアクセスできるので撮影に最適です。

私は長年この形を愛用してきました。昔はシッパー付きのモデルは少なくて選べませんでした。カメラメーカー系の会社から出ているモデルは概して弱くて寒さに強くありませんでした。やはりスノーボードやスキー系のメーカーが出しているものが最強です。

スノーボード用はバインディング操作する親指、スキー用はストックを持つ手のひらの中が強化されていたり、強力に防寒してくれます。寒さにも強くて丈夫です。それでもプロだと1年使うとボロボロになります。

グローブなら指先がすぐ出るような形状

人差し指と親指が出るようになっているモデル。

グローブ型はある程度の作業がつけたままできます。カメラを取り出すとか、場合によってはシャッターも切ることができます。現場で細かい作業はグローブを外してインナーグローブでやるのなら、5本指という選択肢でも良いと思います。

カメラメーカー系の会社から出ているカメラグローブで指先が簡単に出せるようになっているモデルが出ています。これが思ったより使いやすく、防寒性能さえ高ければ、こちらの選択肢というのもありです。

大会撮影や多くのライダーがポンポン出て来るような撮影でしたらミトンより5フィンガーを選びます。

3本指という選択肢

HESTRA に3-FINGERというモデルがあります。こちらをカメラグローブのアウターとして使うのも良いと思います。もともと雪山で評価の高いモデルです。装着感、耐久性など全てにおいて高いレベルです。

このグローブをつけたままでも、なんとかシャッターは切れました。細かい作業はグローブを外してやってしまう、というくらい割り切ってこれを使うのなら良い選択です。

素材について

革製

もっともおすすめが革製です。防寒性、防水性、耐久性が高いです。手汗をかいたりすると蒸れてしまいますが、その際はインナーグローブを替えます。暑い時はつけないでインナーグローブだけで行動します。

ナイロン系(ハイテク素材)

普通の防水性野の高い生地からゴアテックス系の防水、防風、透湿性の高い素材を使ったものものまで色々と種類があります。概して革より寒くて弱い印象があります。革製より概して低価格で軽いという利点がありますので、場合によってはこちらの選択もありだと思います。

現在のメイン・グローブ

Freehands Men’s Soft Shell Ski/Snowboard Gloves

スノーボードやスキーメーカーのものではありませんでいたが、珍しく使いやすく、耐久性もまあまあ、保温性能もまあまあで愛用しています。

私はカメラマン御用達のアメリカのカメラショップB&Hで購入しましたが、日本のアマゾンでも購入できます。

このグローブのメリット

まず指先が簡単に出る。そしてその指先部分が薄くなっていて指を出さなくてもシャッターをうまく切ることが出来る。半押ししたか半押ししてないかくらいの違いがわかります。

あと、磁石がついていて指先を出したままにできます。気がついたら指が出っぱなしってこともありますが、まあ許容範囲です。

磁石がついていて簡単に指を出したままにしておける

耐久性に関しては、1年シーズンは壊れることなく機能しました。2シーズン目、手のひらのビニールコーティングのようなものがとれ始め、縫い目部分が裂け始めました。やはり革製のものの方が若干強いようですが、現在の撮影スタイルに合っているのでこちらを使っています。

おすすめグローブ

HANDOUT GRLOVES

このグローブはかなりいいです。設定がスノーボード&スキーカメラマンって言うことのようですので当然なのですが、ミトン型はまずこれを試してからでいいと思います。

 

DEATH LABEL IRONFIST MITT LEATHER

コアで超かっこいいスノーボードメーカー「DEATH LABEL」から革製でファスナーが付いた、まさにカメラマンのためのようなグローブが出ています。モデルチェンジの激しい業界で毎年このモデルは出ています。素晴らしい。もちろんとても使いやすいし温かいです。

社長さんとこのグローブのことで話したことがありますが、やはりカメラマンの評判が高いとのことでした。

 

AXESQUIN(アクシーズクイン) フィンガースルーミトン・プロ

長年愛用してきました。3回位買ったと思います。アクシーズクインは山屋さんの会社のようで防寒性能は非常に高いです。付属でついているインナーグローブも使いやすいです。

ただし、スノーボードのバインディングを操作する部分などに補強がされていないので、その辺の革がよく破れました。それと前後してファスナーも壊れてしまうというルーティーンで、ヘビーに使うとだいたい1年〜1年半くらいで使えなくなってしまいます。少し高価なのでもう少し長い間使いたいというのが正直な気持ちでした。

現在調べてみると革製のプロの販売がありませんでした。時期的なものかもしれませんが、販売再開されたらご案内します。

 

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