【非推奨】カメラが結露したときの対処法

【非推奨】カメラが結露したときの対処法

寒い場所から急に暖かい場所へカメラを持ってくるとレンズやボディの表面に水分が発生します。結露という現象です。

温度差5℃で発生するので、ゲレンデからレストハウスに入ったり、車の中に入っただけで簡単に発生する厄介なやつです。

今回は、私が普段どのような対策をしているかお話しようと思います。

結露しないようにするために

撮影時の対策-2台のカメラを使用

依頼撮影の場合、マイナス気温の野外でのライディング撮影の後に、室内での物撮りやポートレイト撮影といったことは普通にあります。そういった際2台のカメラを用意します。1台のカメラを外と中で使用するのは不可能だと考えています。

1台は暖かい場所においたまま

2台のカメラとレンズを用意して、マイナス気温の中で使用した機材は室内の暖かい場所には入れない。もしくはカメラバックに入れたままにしておきます。

そしてもう1台を室内の暖かい場所においたままにして撮影します。紹介するまでもない方法ですが、これ以外の方法はありません。

編集者、ディレクター等に一日のスケジュールを聞いてカメラを複数台準備しておきます。

撮影後のカメラはどうするか

室温に戻るまでカメラバックに入れたままにする。ゆっくりと室温になじませる。

カメラ専門誌や教科書などでは、必ずこう書いてあるでしょう。そして私もそれが最も正しい方法だと思います。時間の余裕があればぜひそうしてください。

結露したらどうしたらよいか。

前述したようにゆっくりと時間をかけてカメラを室温に戻してください。そうすれば結露しないと思います。

しかし私はそんなこと、したことありません。

撮影のハイシーズンは3ヶ月程度で、毎日撮影があります。当然ナイトシューティングの翌日に早朝から撮影なんてときもあります。雪が降りしきる中で使用したカメラは雪まみれでガチガチに凍っています。撮影が終わればすぐにカメラを乾かし、メモリをバックアップしバッテリーを充電し、一刻も早く翌日に備えたいです。

カメラバックに入れたままだと-10℃くらいにガチガチに凍ったカメラが+20程度の室温に戻るまで数時間かかると思います(したことないので正確にはわかりませんが)。むしろカメラを雪まみれの状態で数時間も放置したくありませんし、そんな時間もありません。

撮影が終われば乾燥できる場所で、一刻も早くカメラバックからカメラを出し乾燥させます。そうすると、もちろん盛大に結露します。

すぐにストーブの前などで急速に乾かす!

北海道では温風ヒーターがメイン暖房のところが多いので、温風が直接当たるところに、撮影が終わってすぐのガチガチに凍った機材をカメラバックから取り出し、温め、乾燥させます。

非推奨です。真似しないほうが良いと思いますが、フィルムカメラからデジタルカメラまで、全てこの方法で20年、カメラを乾燥させてきました。

氷のようにガチガチに凍ったカメラをストーブの前に置くと、怖いくらいに水滴が付きます。ある程度はセーム革などで拭き取りますが、基本的にはストーブの前に置きっぱなしで完全乾燥するまで待ちます。

急速に温めることで、レンズの中玉やカメラボディ内の電子パーツも不必要に結露してしまう可能性があります。カメラ内部はほぼコンピュータのようなものですし、センサーもとてもデリケートです。そんなところに水滴がついてしまえば致命的な故障になる可能性が高いです。急速乾燥させる方は自己責任にて行ってください。

私の機材は壊れたことありませんでした

これは実際の経験でしかありません。科学的な根拠やメーカーの推奨など全くありませんがフィルムカメラのEOS-1Nと1V、デジタルカメラのEOS-1D系、1DX系、5D系や7D系でも不具合が起こったことはありませんでした。いつも翌日バッチリ使用できました。

レンズもこれが原因と思われる不具合はありませんでした。

70-200 f4 ISのISユニットが壊れたり、28-70 f2.8の中玉が曇ってしまいましたが、ともにかなり長期間使用していましたし、発症したのは夏でしたので急速乾燥が直接的な原因ではないと考えています。

メモリーカードはあらかじめ抜いておく

カメラの不具合よりもデータの損失のほうが怖いです。

撮影が終わったらマイナス気温の状態でカメラからメモリーカードを抜きます。そしてペリカン製のメモリーカードケースに入れてポケットなどの若干暖かい場所に入れて少しずつ室温に近づけるようにしています。

撮影現場からコンピュータのある場所まではたいてい離れていて、たどり着くまで時間がかかります。その間になるべくゆっくりカードの温度を室温に近づけるようにしています。

まとめ

なんら科学的な根拠もありません。完全な私の経験による方法です。

逆に言うと、これくらいの扱いで壊れたりしないで、いつも期待通りの写真を上げてくれるくらいの堅牢性がないと仕事では使えません。新しいカメラを導入するときは、このようなある種のストレステストに耐えるまではメイン機材としては使いません。

あくまでもこれは私のやり方です。雨や雪、結露に過敏に反応する同業プロもいます。正解だとは全く思っていませんので参考程度にしていただけると良いでしょう。時間に余裕のある方は丁寧にカメラを扱ってください。

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